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「禁断症状にかられて」
2008.03.06 Thursday 22:21
久しぶりに本を買った。最近無くなってたSF分が補充できて嬉しい。何となく最近のラノベももう一回手を出してみたくなったが、シリーズ物が多すぎてよく分からず。真面目な本は図書館で探すとしよう。
しかし荒山徹が十兵衛両断しかないとは…あれはやっぱり売れ残っている部類なのだろうか。

「小指の先の天使」神林長平
自己と外部のコミュニケーション。実在と虚構。そんな感じのいつもの神林節でした。仮想世界ネタとしては本当にいつも通り……なんて言うかそれ以外に言いようがない。仮想現実(Virtual/Simulated)ネタで印象に残っているのはユービック(PKD)としあわせの理由(グレッグ・イーガン)ですが、本当に語りたい主眼を何処に置くかで状況としては変わらないはずの仮想現実も随分変わる物だなあという印象。肉体に依存しないという意味では、「なんと清浄な街」の第二世代も「ボーダー・ガード」の宝石も代わりはしないが、しかし描かれる世界はずいぶんと違う。

「時砂の王」小川一水
時間遡行についての整合性は「納得できればいい」位であまり気にしないことに。そうすると、生じる分岐を全て分岐として丸投げにしている本作は割とイメージが取っつきやすいと思った。分岐を生じさせるメタ分岐とかまで考えると「無限の暗殺者」(グレッグ・イーガン)、だしこの話としては蛇足。「老ヴォールの惑星」の時も少し思ったけれど小川一水の主眼はSF理論やその発展系ではないと思う。SF的世界観の中で変わらず貫かれる人間性(あるいはそこで、最後まで残る人間性とは何か)。
構成上、いくらでも展開を引き延ばせそうではあるんですが骨子がシンプルで、そのなかで主人公の払う犠牲、葛藤、決意なんかが判りやすい。その犠牲の上の覚悟があるからこそ、ヒロイックに見え、よけいなシーンが削られているからドラマ的に見える(シーン制TRPGのようだ)。TRPG脳で読むとその葛藤の構造を丸移ししてシナリオ一本組めそうなぐらい格好いい。どうしても無限に分岐する時空間=マルチバース構想が出てくるのでTORGに絡めたくなるが。

「ようこそ女たちの王国へ」ウェン・スペンサー
リアル姉妹には萌えないという話?
西部開拓時代+ロマンス+ジェンダーSF(社会派)。
『ギャルゲーのような表紙だが良い意味で裏切られた』とか、割と好意的な書評が多かったので期待しすぎたかもしれない。ちょっと肩すかしを食らった間は否めないが、キャラが立っているのですんなり読める。
読み終わったので追加分。リアル姉妹には萌えないけど義妹っていいよねというハーレムエンドでした。もうちょっと風刺を効かせると思っていただけに意外でした。基幹設定に対するSFさが足りない気は否めないのですが、これはこれでロマンス物としては有りかと。

「虎よ!虎よ!」アルフレッド・ベスター
モンテ・クリスト伯を下敷きにした豪華絢爛なワイドスクリーン・バロック。
50年経っても色褪せない(そして癖のある)SFオールタイムベスト(だが絶版)。
というのが予備知識。再版されていた時に「今買わないとまた手に入らなくなる」という思いで即座に購入した。
正直自分に合うかどうかは不安ではあったのだがそんな心配は不要だった。
強烈な個性と非情なまでのキャラクターの動かし方、過剰な演出が渦巻いて素晴らしい。このベースアイディアだけを抜き出しても話が一本書けるのに、脇役やサブアイディアを惜しげもなく投入して使い捨てている。
あと、オルタナ系アメコミ臭がすごい。(スーパーマンなどのライターをしていたのだから当たり前かもしれないが)パンチの効いた畳み掛けるような文体、タイポグラフィなどの実験的作風、急展開していくストーリー…すごく……アメコミっぽいです。描写も脳内でアメコミ風コマ割が展開されていた。まあこの話しを映像化すると陳腐になって面白くないとは思うので、あくまで脳内での話。
最後の落としが微妙に肩透かしなのも含めてアメコミっぽい。落としどころとしてはアレしかないのは判っているし、途中の加速+大風呂敷に盛大に酔えたので十分元はとった。
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